腸のことを“わた”とも言う『アイアムアヒーロー』第61話 [アイアムアヒーロー]
【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!
無造作に引きちぎられた下顎。
それを見つめる比呂美。
前回はここで決着かと思いましたが、おじさんはまだ立っています。
どうやら感染者は、下顎を失った程度では死なないようですね。
そして、比呂美の目に映るのは、血塗られた下顎ではなく、
食器洗浄用のスポンジ。
このスポンジで、おじさんの顔をゴシゴシ。
これは非常に興味深い描写だと思います。
今まで本作では、感染者視点で何を見ているかの描写は無く、
(映像作品的なカメラアングルでの表現はありましたが)
彼らはただ、その場にそぐわない独り言をブツブツと繰り返すばかりでした。
つまり、感染者本人は目の前にいる人々ではなく、
まったく別の光景を見ながら、いつも通りの日常生活を送っているに過ぎない。
当然、明確な攻撃衝動に突き動かされているわけではない。
・・・とも考えてみたのですが、
所構わず誰にでも噛みつきまくる説明にはなっていませんね。
うーん・・・半感染者(と仮定した)の比呂美と、他の感染者では違うのか?
さて、おじさんにぶっ飛ばされた比呂美は、ここでまた別の光景を見ます。
たこ足配線のコンセント。
なぜか抜けている電話線。
生活感ありありのリビングの外に、若干幼く見える比呂美が座っています。
で、そこに現れる半壊した巨大なぬいぐるみ。
見開いた目は、まるで感染者のようです。
眠っている時に見る夢にも似て、実にシュール。
そして、顔にたくさんのホクロのような点々を持ち、
どこか人間的な生々しさを持ったぬいぐるみを
比呂美は“嫌なもの”を見るような目で睨みます。
その目に呼応するかのように首を絞めてくるぬいぐるみ。
比呂美はその腕を捻り、引きちぎり、投げ捨ててしまいます。
その光景を見つめるのは、幸せだった頃に撮ったと思われる家族の写真だけ。
さて、食器を洗う時も、ぬいぐるみと戦っている時も、まったく無音でしたが、
ここでようやく“音”が聞こえてきます。
それは過激で、残酷な何者かの声。
その声に促されるように、逃げた先の部屋ですっかり小さくなったぬいぐるみを
比呂美は“手術”し始めます。
もしかしたら、このぬいぐるみは比呂美にとっての“誰か”であり、
その誰かが具現化した姿なのかもしれません。
腹を裂き、綿を抜く。
当然、現実でも同様の行為が行なわれているわけで、
おじさんは腕をもがれ、腹を裂かれ、臓物を引き抜かれているのでしょう。
某作品にもありましたが、“綿(わた)=腸(はらわた)”と考えると、
なかなかゾッとしますね。
おじさんとの対決は、比呂美の勝利。
なのですが、感染者同士の戦いには勝ち負けすら無いのか、
相手が動かなくなっても、まだ続いているようです。
その光景を呆然と見つめる英雄の足下に、別の感染者が!!
英雄、危うし!
・・・と思ったら、荒木があっさり踏みつぶしてくれましたね。
やはり英雄よりも冷静に、周りの状況を常に見極めているのは荒木のようです。
さてさて。
感染者を葬り、突破口ができた英雄たちですが、
無心におじさんを“手術”している比呂美を連れて行けるのか。
スピリッツの年内発行は、次週号まででしょうか?
なんとか年内には、ある程度の区切りで終ってほしいところですね。
【追記】
年内はこれが最後。第62話の記事はこちら。
無造作に引きちぎられた下顎。
それを見つめる比呂美。
前回はここで決着かと思いましたが、おじさんはまだ立っています。
どうやら感染者は、下顎を失った程度では死なないようですね。
そして、比呂美の目に映るのは、血塗られた下顎ではなく、
食器洗浄用のスポンジ。
このスポンジで、おじさんの顔をゴシゴシ。
これは非常に興味深い描写だと思います。
今まで本作では、感染者視点で何を見ているかの描写は無く、
(映像作品的なカメラアングルでの表現はありましたが)
彼らはただ、その場にそぐわない独り言をブツブツと繰り返すばかりでした。
つまり、感染者本人は目の前にいる人々ではなく、
まったく別の光景を見ながら、いつも通りの日常生活を送っているに過ぎない。
当然、明確な攻撃衝動に突き動かされているわけではない。
・・・とも考えてみたのですが、
所構わず誰にでも噛みつきまくる説明にはなっていませんね。
うーん・・・半感染者(と仮定した)の比呂美と、他の感染者では違うのか?
さて、おじさんにぶっ飛ばされた比呂美は、ここでまた別の光景を見ます。
たこ足配線のコンセント。
なぜか抜けている電話線。
生活感ありありのリビングの外に、若干幼く見える比呂美が座っています。
で、そこに現れる半壊した巨大なぬいぐるみ。
見開いた目は、まるで感染者のようです。
眠っている時に見る夢にも似て、実にシュール。
そして、顔にたくさんのホクロのような点々を持ち、
どこか人間的な生々しさを持ったぬいぐるみを
比呂美は“嫌なもの”を見るような目で睨みます。
その目に呼応するかのように首を絞めてくるぬいぐるみ。
比呂美はその腕を捻り、引きちぎり、投げ捨ててしまいます。
その光景を見つめるのは、幸せだった頃に撮ったと思われる家族の写真だけ。
さて、食器を洗う時も、ぬいぐるみと戦っている時も、まったく無音でしたが、
ここでようやく“音”が聞こえてきます。
それは過激で、残酷な何者かの声。
その声に促されるように、逃げた先の部屋ですっかり小さくなったぬいぐるみを
比呂美は“手術”し始めます。
もしかしたら、このぬいぐるみは比呂美にとっての“誰か”であり、
その誰かが具現化した姿なのかもしれません。
腹を裂き、綿を抜く。
当然、現実でも同様の行為が行なわれているわけで、
おじさんは腕をもがれ、腹を裂かれ、臓物を引き抜かれているのでしょう。
某作品にもありましたが、“綿(わた)=腸(はらわた)”と考えると、
なかなかゾッとしますね。
おじさんとの対決は、比呂美の勝利。
なのですが、感染者同士の戦いには勝ち負けすら無いのか、
相手が動かなくなっても、まだ続いているようです。
その光景を呆然と見つめる英雄の足下に、別の感染者が!!
英雄、危うし!
・・・と思ったら、荒木があっさり踏みつぶしてくれましたね。
やはり英雄よりも冷静に、周りの状況を常に見極めているのは荒木のようです。
さてさて。
感染者を葬り、突破口ができた英雄たちですが、
無心におじさんを“手術”している比呂美を連れて行けるのか。
スピリッツの年内発行は、次週号まででしょうか?
なんとか年内には、ある程度の区切りで終ってほしいところですね。
【追記】
年内はこれが最後。第62話の記事はこちら。
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