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『Pinch kicker 後編』手原和憲・著 [マンガ全般]

待望の後編です。
 

前編同様、暖かい友情にホンワカさせられるシーンと
クスッと笑えるシーンとが交互に織り交ぜられています。


今回、「あ、コレいいな」と思ったのは、
選手交代により、主人公・ユージが試合場に入るシーン。

「おかえり。」「ただいま。」

ここですね。

ラインを跨いで、「ただいま。」

長い間、ユージが入ることの出来なかったサイドラインを
ついに跨いだ時。

さらりと描いていますが、とても重要なシーンだと思います。


そして、運命のフリーキック。

ここでズバッとゴールを決めるのが少年漫画。

ゴールは決められなかったけど、それよりもチームメイトとの友情に感謝して、
今後の人生を強く生きていこうとするのが青年漫画。

・・・と思ったのですが。

さらなる変化球で来ましたね。

でも、一人で何でも解決してしまうオチにならず、
これまでも、そして、これからも親友と共に歩んでいこうとする
一番良い形でのラストになったと思います。

作者である手原さんが、個人競技ではなく、
サッカーを題材に選んだのは、このへんに理由があるのかもしれません。


『ミル』もそうなのですが、手原さんの描く漫画は
セリフや音が無いコマの使い方が非常に効果的ですね。

実際の役者のように、表情だけでキャラクターに演技をさせています。

これが映画的な見せ方となり、間を生み出し、
同時にキャラクターに深みが増すんですね。

まさに「読ませる漫画」だと思いました。


あ、余談ですけど、タカとユージという名前、
『あぶない刑事』から取ったのかな・・・?


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