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『アイアムアヒーロー』第1集から読み直す [アイアムアヒーロー]

今月末に待望の第4集が発売になります。


で、これがもう何度目になるのか、自分でも分かりませんが、
今また、単行本の第1集から読み直しています。


新たな発見、気付き。

そういうものを探しながら読むのは、
ある意味では楽しくもあり、時として苦痛でもあり。

“漫画は楽しく読みたい派”なので、
小難しいことを考えながらっていうのは、
ちょっと違うかなと思っています、個人的には。

ただ、ですね。

『アイアムアヒーロー』という作品だけは、そうも言ってられません。

漠然と読んでいたら置いていかれる漫画。

それが『アイアムアヒーロー』かな、と。

上手い表現が思い浮かばないのですが、
『アイアムアヒーロー』というマンガを間に挟んで、
描き手(作者の花沢健吾さん)と読み手(我々、読者)が
真剣勝負をしている気分になってくるんですね。

幾重にも張り巡らされた緻密な伏線が、
「何でもない1コマ」の中に潜んでいて、
読者がそれらを見つけられるか見落とすかで、
後々の展開を見た時の衝撃度がまるで違います。

そして、それを実現しているのが、
生々しくリアルに描き込まれた人物や背景。

リアルな描写があってこそ、その中で展開している非日常さえも
現実感と説得力を帯びてくるのかな、と思っています。

相当な質と量の取材を繰り返していること、
そして、プロットやネームなどにも相当な時間をかけていることは、
想像に難しくありません。



さて、これはあくまで個人的な考えですけど、
「一回読んだだけでは理解しきれない漫画」や
「何度でも読みたくなる漫画」は傑作だと思っています。

で、『アイアムアヒーロー』は、その両方を満たしちゃってるんですよね。

もっと言ってしまうと、
「単行本の購入さえも計算された漫画」なのかもしれません。

もちろん、商業主義的な意味ではなく、です。

例えば、毎週連載されている物語を読み進んでいくと、
「あれ? あの時、どんなこと言ってたっけ?」とか、
「ここに来る前、彼はどうしてたんだっけ?」と思うことが
しばしばあります。

そうなってくると、単行本を買って、何度でも読み返せる人、
またはスピリッツをずっと保管している人の方が、
ずっと本作を楽しめるということになります。

そして同時に、連載中には気付かなかった点が
非常に多かったことを思い知らされます。

立ち読みで済ませている人は、ここで既に置いていかれているわけですね。


第4集では、ヒロイン・早狩比呂美を軸としたエピソードが収められているはず。

もしかしたら、連載時には気付かなかったことが、
加筆や修正によって、より鮮明にされているかもしれません。

期待は高まるばかりです。


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