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カバーを外して見てみよう!『アイアムアヒーロー』第3集 [アイアムアヒーロー]

【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!
 
本日は5月28日。

世間的には「本日、iPad発売!」に沸いておりますが、
個人的には『アイアムアヒーロー』第3集の発売日という認識。


さて、この第3集。

「今度は表紙に誰が来るか?」を考えてみたのですが、
どーにもこーにも適任者が見当たりませんでした。

名前がある登場人物は、ほぼ死んじゃいましたしね。

そういった理由もあってか、今回は特定人物の登場は無し。

その代わり、よりホラー色が強いものとなっています。


で、このカバーを単行本から外して広げてみると、あら怖い。

電話ボックスの中から、外にいる感染者を見る構図ですね。

ガラス1枚隔てた外側に、“彼ら”がいる恐怖。

この作品の世界観をひと目で理解させるには充分な、
非常に強烈なカバーイラストではないでしょうか。


ところで、この電話ボックスの外側の風景。

第3集後半の舞台となる樹海のようにも見えます。

この電話ボックスと、比呂美が第32話で見つけた電話ボックス。

同じものなのか否かは定かではありませんが、
なんとなく関連はありそうで、ちょっと気になりますね。


さてさて、肝心の第3集本編ですが。

み○も○たさん似のおっちゃん大暴走の第23話から
蛆虫特盛りの首吊り死体が見つかる第34話までを収録。

相変わらず、多めの加筆と修正が入り、
週刊で読んでいる読者も楽しめる一冊になっていると思います。


まず驚いたのは、第23話のラスト。

英雄のセリフが掲載時とは真逆になっています。

どっちが、より「らしい」のかな・・・?

掲載時は、目の前の状況に降参したニュアンスに思えましたし、
単行本の方は、必死に自分に言い聞かせる虚勢にも思えます。

あれ? そう考えると、どちらも「らしい」と言えますね。


そして、夜の樹海で妄想が止まらなくなり、パニックになるくだり。

週刊で読んだ時よりもボリュームがあり、
支離滅裂な妄想の洪水が、どんどん英雄を苛み、
我々読み手の方も、妙に不安な気分になってきます。

こういうのは、精神的にきますねぇ・・・。


さて、単行本を通して読むと、より分かるのですが、
樹海に来て以来、ほとんどのコマの背景に樹海の木々が描かれ、
第3集の後半は、非常に“濃く”なってます。

この鬱蒼感を知ってしまうと、本物の樹海にも興味が出てきてしまいます。

まあ、行ったら行ったで、怖い目に遭いそうなので行きませんけど。


あ、そうそう。

スピリッツ掲載時にはよく分からなかった、第24話第25話の英語のセリフですが、
今回の第3集では巻末に和訳が収録されていますね。

これを読めば、あのシーンの緊迫感がより増してきます。

単行本になった時、こういうサービスがあることは非常にありがたいと思いました。


というわけで、第3集も第2集同様、すごいところで終わっていて、
単行本でしか読んでいない人は、続きが気になって仕方ないでしょう。

そんなかたは、掲載誌であるスピリッツの方もぜひ。


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