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さようなら『アイアムアヒーロー』最終巻 [アイアムアヒーロー]

【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!
 

最後の単行本、22巻が発売となりました。

約8年間続いた物語も、この巻でいよいよ完結です。


で、さっそくページを開いていき、あっという間に読了。

「連載時の内容を補完する大幅な加筆ページ」などは
残念ながら収録されていませんでしたね。

単行本が出る前は正直、
「何か! もうちょっと何か欲しいんですけど!」
などと勝手に期待していただけに、これは少し残念。

ラストがスピリッツ掲載時とは大きく変わっていたりしたら
最後の最後で大きな衝撃!・・・となっていたのですが。


さて今回、最終巻が出たことで、再度、第一集から通して読みながら、
自分の感想の変遷なども追ってみました。


第1話の開始当時、こんな記事を書いていました。

なんとなく、不穏な空気は感じ取っていたようですが、
前作『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の余韻をまだ引きずっており、
その後の強烈さは予想だにしていなかった様子。

【追記】から感じられる、驚きと興奮っぷりに、
当時を思い出し、一人で苦笑い。


そして、第3話第10話で、薄々分かってきたようですね。

『アイアムアヒーロー』という漫画の読み方みたいなものが。

もう、この頃はすっかり“ハマって”しまっていますね。


で、衝撃の第11話

10話を費やした周到な仕掛けが一気に爆発する回です。

これで人気に火が着き、あとはもう、読者なら誰もが知っている通り、
某漫画ランキングに名を連ね、映画化を経て今に至るって感じでしょうか。


さて。

最終巻が出てしまい、いよいよ『アイアムアヒーロー』は
完全に終わってしまったわけですが。

山のような謎、気になるキャラのその後などは残ったまま。

私を含め、多くの読者がモヤッとした状態でいることは
まず間違いないでしょう。


結局、『アイアムアヒーロー』って、何だったんだろう?


で、あくまで以下は個人的な見解です。


設定やストーリー展開に極端な整合性を求めてしまうと
本作を楽しむのは難しくなってしまう気がします。

様々な謎は、そのまま謎として、
そこから生じる「なぜ?」「どうして?」までも含め、
物語の展開だけを追いかける。

それが本作を読むスタンスで良いのかな、と。

事実、週刊連載中はずっとそんな感じでしたし。

絶対に死なないと思っていたキャラがいきなり死んだり、
逆に、こいつ死ぬんだろうなぁと思っていたキャラがしぶとく生きていたり、
毎週々々、次の展開が予想できなかったので、
次号の発売がただひたすらに待ち遠しかった印象ですね。

週刊誌であれ、単行本であれ、ページをめくる手が止まらない。

それって、実は凄い漫画なんじゃないの?

「この先、どうなっちゃうの!?」を楽しむ。

連載が完結した今となっては、それで良いかなと思います。

ちょっと無理矢理ですけど、最近になってようやくその境地に達しました。


自分勝手を承知で書きますけど、
同じ作品を8年間読み続けていると、いつの間にか
「載っていて当然」みたいな感覚になってしまいます。

しかし、永遠に続く漫画作品などあり得ないわけで、
いつかは終わりが来ます。

その時に感じる、言いようの無い寂しさ。

漫画が好きな人なら、誰しもそういう作品がいくつかあると思います。

私にとっては、『アイアムアヒーロー』が、そのうちの一作となりました。

花沢さんの次回作にも期待せずにはいられません。


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