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楽園と失楽園『アイアムアヒーロー』第262話 [アイアムアヒーロー]

【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!


伊豆。

脱出してから一年以上が経過。

その後の中田隊長たちの姿が、そこにはありました。


あまり変わらない瀬戸。

一年ですっかり頭髪が禿げ上がった苫米地。

少し逞しくなった子供(まーくん)。

そして、若返ったおばちゃん。

驚いたことに、おばちゃんはママになっていました。

この子の父親は中田隊長ってことで良いんですかね?

おまけに第二子までお腹に宿っているという、さらに驚きの事実まで。

苫米地もおばちゃんも、見た目の変化以上に
その顔の表情からは険が取れ、柔和になっています。

生き残った他の人々との穏やかな共同生活が
そのような変化をもたらしたのかもしれません。


一方、影の主役とも言えそうな中田隊長は、というと。

子供たちを相手に、漫画の執筆を再開していました。

生意気というか、率直というか、大人とは違って
思ったことをそのまま口に出す子供たちの評価に、
漫画家・中田コロリは苦戦しつつも充実した日々を送っているようですね。

今の自分の作品を鈴木英雄に見てほしい。

この荒廃した世界で、今でも英雄のことを覚えていて、
その存在を意識しているのは、間違いなくコロリ先生だけでしょう。


で、当の英雄がその思いに応えているか、というと。

余裕だと思っていた食料の備蓄が想定外のアクシデントにより
一気に不安な状況となり、とても漫画どころではありません。

誰の所為でもなく、自分の管理が甘かっただけなのですが、
孤独な英雄はそれを動かない“他人”に被せ、叱責します。

この病んだ感じ、やはり連載開始頃の英雄に逆戻りしたような印象。

自堕落で、現実を見ようとせず、自尊心の塊のような男。


その英雄が独りで迎えた新年。

2011年。

そうそう、連載が長いから忘れていましたが、
この物語の中において、あの感染パニックは2009年に始まったのでした。

そして、3月11日14時47分。

この作品世界の中でも、
ついにあの忌まわしい時刻を迎えようとしています。


連載は残すところ、あと2回。

【追記】
第263話の記事はこちら


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