SSブログ

孤独に生きる『アイアムアヒーロー』第261話 [アイアムアヒーロー]

【ネタバレ注意!】本記事はネタバレを含みます。本編を未読の方はご注意下さい!


1ページを使った、丁寧なインスタント焼きそばの作り方。

それを食べる英雄。

即席の焼きそばであっても、暖かい食べ物を美味そうに食べる様子は、
やはり人間くさく、リアルな“生”の描写に見えます。

そして、英雄の顔と独り言からは、悲壮な色は微塵も感じられず、
今が平和な時間であることが分かります。


では、なぜ、平和なのか?

それが彼の口から語られていきます。

聞き手は、新たな矢島的ポジションの“飛び出し坊や”。


中田隊長たちの脱出から、約半年。

ZQNたちは消え、巨大ZQNも活動停止。

食料も水も十分にあり、生きることに対しては何の心配もいらない。

AVを見る余裕すらある。

ZQNがいないので、武装も必要が無くなり、
今はただ食べて、寝ての繰り返しのようです。

言葉だけで見ると、まるで引きこもりですね。


そして英雄は巨大ZQNの足下へ。

その内部へ入ると、そこは鍾乳洞のようになっています。

壁面には目玉とか手足のような人の痕跡は無く、
ただ固まった岩のような状態となっていました。

これが、まだ“巣”としての機能を有しているのかは不明です。

しかし、ここは数多くの人々が吸収された場所、
岩のように見えても、かつては人だった物として、
英雄は“墓参り”みたいに線香を手向けることに決めているようですね。


今回のエピソードを見る限り、確かに英雄の周辺は平和になったようです。

しかし、それは孤独の裏返しでもありました。

人もいなければ、ZQNもいない。

かつて三谷さんが死の直前に言い残した
「生まれて初めて、生きてる感じがした」という言葉。

今の英雄には、その感覚が薄い気がします。

死ぬ要素が無いから、ただ生きてる。

そんな感じ。

人間以外の生物たちが生存している世界で、
鈴木英雄は誰にとってのヒーローになり得たのか、
それとも、これからなるのか?

物語は急速に終わりに向かっています。


【追記】
第262話の記事はこちら

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。