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『アイマス』第13話「そして、彼女たちはきらめくステージへ」 [アイドルマスター]

やや遅いですが、第13話の感想を少し。
 

第一クールの最後を飾る今回。

演出面、作画面、共に素晴らしい内容であったと思います。

冒頭、通常のオープニングを使わずに本編に突入する展開からも
「いつもとは違う」雰囲気が感じられました。


今回、『765プロ・オールスターライブ』を主軸に据えてはいますが、
それを普通にこなしているだけでは物語的なメリハリは無く、
当然、そこには“盛り上げるための味付け”を用意する必要がありました。

それを“竜宮小町の遅刻”という、現時点のアニメ版の進行上、
最も痛恨の障害・アクシデントを用意した点に注目ですね。

届いた花が竜宮小町宛てのものばかりだったり、
物販コーナーでファンが「竜宮セット」を購入するシーンでも明確なように
ライブ会場に訪れた観客のほとんどが竜宮小町目当て。

ある意味、“アウェー”な中でライブを行わなくてはならない
765プロのアイドルたちの奮闘が、今回のキモとなります。

しかし、これが観ている全国のプロデューサー諸氏(視聴者)的には
なかなか辛いわけです。

春香が「あんまり盛り上げられなかったかも・・・」と言ったり、
控え室でアクシデントが次々と起こったり、
「前座、ちょっと長くない?」とか言い出す観客がいたり・・・。

この“負の連鎖”みたいなものを目の当たりにすると、さすがに胸が痛みます。


春香の言葉で、ようやく気持ちを持ち直した765プロの面々ですが、
観客席の熱は、依然としてイマイチ。

ここで一気に挽回したのが美希でした。

これは、美希の中で何かが変わったことを印象づけるための
前回の第12話から続く流れですね。

そして、訪れる第一の山場、『マリオネットの心』。

相当な数の動画を投入したと思しき、美希・真・響の歌唱シーンは、
奥から手前、手前から奥へと滑らかに動くカメラワークと相まって
圧倒的な迫力で画面内に映し出されます。

また、さっきまで控え室で仲違いしていた真と響をサポートに据えた点も
実に心憎い配慮だと思いましたね。


この後、舞台袖に帰ってきた美希を労う千早が男前すぎて、グッときます。

ただ願わくば、ソロで歌う千早の歌唱力に圧倒された観客が静まり返り、
歌い終わった直後に地鳴りのような拍手がわき起こる
・・・・・・みたいなシーンを個人的には観たかったですね。


そして今回、いや、第一クール最大・最高の山場『自分REST@RT』。

9人のアイドルが歌い、踊るシーンは圧巻の一言です。

ダンスに合わせて動く髪の毛、衣装の裾、リボンなどが
実に細かく滑らかに動きまくります。

実際のライブ映像でも使われるクレーンカメラのような
カメラワークも加わり、前半のドンヨリした雰囲気を吹き飛ばす
爽快なカタルシスさえ感じられる素晴らしいシーンですね。

ここだけは、何度観ても泣けてきます。


さらに注目したいもう一点が、ファンが振るサイリウムの量。

ライブ開始直後はポツポツと灯る程度だったものが、
美希のシーンから増え始め、ラストでは客席を覆い尽くすほどの量に変わりました。

この第13話のテーマは、その前の12話までを使って丁寧に描き出されてきた
“765プロのアイドル一人ひとりの魅力”を知ってもらうことだったのでしょう。

竜宮小町目当てで来ていた観客に対し、
竜宮小町以外にもたくさんの魅力的なアイドルがいるという
“気付き”を与えた何よりの証しがサイリウムの量だったのではないか、と。


エンディングに『i』をチョイスした点も文句なしですね。

『i』の中の一節「歌やダンスで自分を伝えよう」は、
まさに今回を象徴するような歌詞ですから。


さて、スタッフの気合いが感じられ、まるで最終回のような第13話でしたが、
次回の第二クールから、いよいよ物語が大きく動きを見せ始めるようですね。

これまで通りの誠実な作品作りを期待したいと思います。


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